瓦は屋根材としてもっとも広く使われています。屋根は単に雨露をしのぐというものだけではありません。真夏の直射日光や冬の厳しい寒さ、台風や梅雨時の長雨と言った自然界の苛酷な条件から家や建物を守るという役割を担っています。
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<屋根材として求められる機能には次のようなものがあります。> |
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防水性 |
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防湿性 |
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耐久性 |
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耐風性 |
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防塵性 |
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耐震性 |
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断熱性 |
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耐火性 |
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遮音性 |
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施工性 |
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経済性 |
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デザイン |
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屋根材として使われている素材には大きく分けて、粘土系、セメント系、スレート系、金属系があります。それぞれ一長一短はありますが、日本建築の代表的な屋根材としての和瓦は粘土系の代表と言えるもので、耐候性および耐久性に優れています。
かつては生産地によってそれぞれ特徴がありましたが、近年ではマーケットの広域化、製造技術の平準化によってそれほどの差異はなくなってきています。むしろ、形や色によるバリエーションが豊富になり、消費者は機能性やデザイン性を重視して選択する傾向にあるようです。
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粘土系(陶器瓦) |
いぶし瓦 |
本葺 |
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和形 |
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釉薬瓦 |
和形 |
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S形 |
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平板 |
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フレンチ |
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スパニッシュ |
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セメント系 |
厚形スレート
施釉セメント |
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スレート系 |
天然スレート
化粧スレート
石綿スレート |
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湿式工法は古来より受け継がれてきた工法で、土を水でこねたものや漆喰で瓦を固定するやり方です。野地との密着性が良いので耐久性に優れる反面、土や漆喰の重みがかかるため、地震等によって建物が倒壊しやすくなるということから最近ではあまり施工されなくなってきているようです。 |
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乾式工法は桟木によって瓦を固定する工法です。湿式に比べて屋根重量を軽くすることができます。また、野地との間に隙間ができるので通気性にも優れ結露等による構造材の劣化を防止でき、耐震性防湿性の点で優れています。近年はこの工法が最も一般的となっています。 |
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技術、素材開発の進歩によって新しい工法が生まれています。屋根の軽量化と耐久性を追求して新しい素材を使う工法です。瓦の固定に樹脂性の下地を使う工法があります。屋根の軽量化を計ると同時に施工作業を効率化できるというメリットがあります。 |
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